卵を移植してきた。
知らなかったのだけど、凍結 >> 解凍するとグレードが上がることもあるらしい。私の卵は4BBから5BBにアップグレードされていて、そんなこと予想だにしてなかった私は、もしかして他人の卵と間違えてるんじゃないだろうか....と心配が止まらなくなり、手術直前で準備してる看護師さんにやっぱり聞いた。
「あのう...わたしの卵、4BBなんですけど....(お間違いじゃないですか?)」
「いえ◯◯様、解凍後にも培養が進み、5BBへとご案内させていただきました」※脳内再生ver.
急なアップグレードを告げられた私は「あ、へー、卵でこんなことあるんですね〜」と5BBに見合う余裕の口ぶりで、エコノミー丸出しの顔をしていたと思う。ラッキーラッキー。
移植自体は、思ったより繊細な手術だった。
麻酔もなしと聞いていたし、AIHの時みたいにピュッて入れてハイ終わりーみたいなのを想像していたけどぜんぜん違った。
手術着をきてオペ室で脚を広げると、まずはエコーで子宮の状態を確認。どこに卵を置くか、内膜の状態をみながらベスポジを決める。それから、いよいよ移植となる。看護師さんがお腹から超音波をあてて子宮内部をモニターに写し、先生がモニターをみながらチューブを慎重に動かしている感じが下腹部からもわかる。「よし」という先生の声とともに、隣の部屋でスタンバッてた培養士さんがささーっとオペ室に入ってきて、慎重な手つきで卵を流し込んで(?) 無事移植完了。
最後再びエコーで、ちゃんと卵が置かれているかどうかをチェック。
モニターを見ながら「うん、いい位置に入ったね」と先生お得意の絶妙なボリュームの独り言を聞けて、わたしもやっと力が抜けた。
いつもそうなんだけど、この先生は、自分のひと言がどれだけ私たちを安心させたり不安にさせたりするかよくわかってるなーと思う。厳しいことも比較的言うタイプの先生だけど、そういう配慮を随所に感じるから人間性をまず信頼しているし、それは私にとって、かなり治療のストレスを軽減させてくれるポイントだったりする。
心配してた痛みもなかった。
術後は30分ベッドで休んで、手土産のようにデカイ膣錠【二箱】を持たされお会計へ。
本日のお会計明細
- 凍結胚 融解 54,000円
- 凍結胚 移植 54,000円
- アシステッドハッチング*AHA 21,600円
- 尻注射(1回) 1,080円
- 黄体補充の処方薬(腹テープ &膣錠 2週間分)
合計 165,672円
*AHA: 卵を凍らせると膜が硬くなっちゃうから、解凍したあとにレーザーで切り込みをいれて着床しやすくする加工
お会計を待ってる間、ふと壁に貼ってある「当院の妊娠率」が目に入った。
昨年実績によると【35-39歳:39.2%】だそう。
見といて言うが、ふーーんという感じだ。ふーーーんは、ふーーーんだ。自分でもうまく説明できないのだけど、いつの頃からかこういう数字をみても他人事のような気持ちになっている。
そういえば、先週初めてフォロワーさんと会ってお話しした呑んだ時、わたしが「こんなこと言ったら不謹慎かもしれないけど......」と前置きして、不妊治療自体がゲームみたいな感覚になっててコンプリートするために進んでる感じがちょっとある、というようなことを伝えたら、「それ、すっごくわかるよ」と言ってもらえてあーー、私だけじゃなかったんだーって妙にうれしくなった。それに、一面一面進みながらも常にうまくいかなかった時のことを考えてるし、楽観的になんて全然考えられない。そうしないと気持ちがもたない。中には治療に専念するために仕事をやめる人もいるけど、自分の場合は仕事でもしてないと気持ちがもたない。って言ってて、逆に「それ、すっごくわかる」をわたしからも返した。
人工授精に向き合ってた頃に比べると、どんどん俯瞰で自分の治療について考えるようになってきている。脳内イメージはドラクエで課金してる感じ。もっと言うと、今回の移植に関しても、卵の時点である程度の確率は決まってるし、ガチャの当たりを引けるかどうかみたいな感覚がある。2個しかないガチャだけど。
そうやって自分のジタバタっぷりを俯瞰にしていくことで、気持ちを保っている。まさに、こうやって文字にしているのもそんな作業なのだと思う。
結果は、なるようになる。
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お会計をしてクリニックを出た時、バスが先に停まっているのがみえて、あ!って思ったけど走らず見送った。そういえば、初めて人工授精したときも妙にお腹に意識がいって、こんなフワフワした気持ちで帰ったなぁーと懐かしくなった。あれから10ヶ月。
今回は精子じゃなくて、もう卵が入ってるんだぁーーと思うと、突然、
うわぁーー、わたし史上一番妊娠に近い状態じゃん。
て気持ちが湧いてきて、ドキドキして、
青信号の点滅も渡らずゆっくり帰った。
小さな種がお腹にあって、花を咲かせるかどうか、って感じ。
なぜなら道にいっぱい桜が咲いてたから。
さっきまでガチャとか言ってたやつが、
急にこんな女子メンタルになる子宮の神秘。
でも、
ちょっと幸せだったりする。
手術の時、下はもちろん何も履いてないから、このクリニックでは術後用に「パンツ&ナプキン」をセットで手渡しておくことになっている。採卵のときは麻酔してるからわかるけど、今回はただ普通に看護師さんにパンツ履かせてもらうっていう状態でポッってなった。
<転院後まとめ>