金曜日の17時、クリニックに着くと待合いは席がないほど埋まっていた。
あれ?いつも18時前は空いてるのにと思っていたら、同じことを受付でぼやいてる方がいて「すいません、本日は午前中が休診だったんです」と言われていた。なる。
とはいえ、5分くらいで採血によばれ、その30分後に先生の声で診察室に呼ばれた。
ノックして部屋に入るやいなや、先生は机から身を乗り出して「おめでとう、妊娠反応でてるから!」と手を差し出してきた。わたしは、その手を握って「え、あ、あ、ほんとですか?あ、えーー」と瞬間的に受け止めきれずにいると「うん、じゃあね、次エコーで呼ぶから!前でちょっと待ってて」と部屋を出され、また待合のソファに戻った。
掌には先生と握手した感覚が残ってて、あ、旦那に連絡しないと、って携帯をゴソゴソ探してたら、急にいろんな感情が込み上げてきて一旦手を止め、ふーと深呼吸して上を向いた。
喜びというよりも、あぁーこの待合いのこのソファに色んな気持ちで座ってたなー、という今までの回顧からくる感慨だった。
そこからは、なんだかずっとボーーッとしていた。
エコーを終えると、先生との対面でこの後のスケジュールについて説明された。
移植日(3/29):2w5d
今 日(4/12):4w5d
で、出産予定日が12/15だそうだ。
今日のエコーでは胎嚢がまだ確認できなかったので、来週もう一回診て、GWの頃に心拍確認して、そしたら紹介状を書くから。とのこと。
本日のお会計
- エストラーナテープ 51,84円
- ルナティス膣錠 13,608円
- 再診 1,080円
- 妊娠判定 3,340円
合計 23,112円
*ただの判定日だと油断していたため、1万ちょっとしか財布になく下のコンビニに走った。
妊娠、やったーーーーーー!!!!!という気持ちにはすぐならないものなのだなぁーと思いながら帰った。もちろん流産への不安はつきないが、それとは別に、ウェェエエエーーイ!やったぜ!みたいな気持ちは全然湧いてこない。
(いつか)子供が欲しかったから不妊治療してたけど、できました、となると正直今の暮らしを手放す不安も同じくらい湧いてきたのだ。でも、そんな都合よいタイミングでできないから治療してたのに、わがままは尽きないなと自分でも呆れた。
もともと子供好きというタイプでもない私は、どこか不妊治療しながら親になる準備や覚悟も一緒にできてるんじゃないかと期待している部分があったけど、それは違った。
ここから覚悟していくものなんだろうなと自分の場合は思う。
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その日は、家の近くの駅で旦那と待ち合わせてパスタを食べに行った。
乾杯!といってグラスを合わせると、急に旦那の目からポタポタ涙がでてきて「アイ、頑張ったもん」と言いながらテーブルにあった紙ナプキンで目頭を抑え出した。それを見てると思わずわたしも泣けてきて、少しの間、二人で紙ナプキンを目にあてていた。
旦那がよろこんでくれることが一番うれしい。
当たり前か。
それと同時に、あぁー...、先生にもっといいリアクションすれば良かったと後悔が湧いてきた。妊娠を告げる瞬間こそが、きっと先生冥利に尽きる瞬間であったはずなのに。わたしマスクしたままだったし、先生の方が喜んでたなぁ....
いや、胎嚢もまだ見えてないし、まだ最後じゃないか。
ぜひ紹介状を書いてもらうところまでいきたい。
そして、その折には盛大なリアクションで感謝を伝えたい。
なんか、今の感情をうまく書けないな。
そんな感じ。
わたしにとって初の陽性反応。まだハードルはたくさんあるけど、超低AMHでも、卵の質が悪いといわれてても、内膜症持ちでも、甲状腺いけてなくても、妊娠まで出来た、、ということが何より大きな一歩。