不妊治療・卒業 その後

妊婦生活、今日でちょうど18週(5ヶ月)を迎えた。

4月12日の判定日から数えると3ヶ月が経ったということになる。

正直、5ヶ月と言われるとピンとこないが、あの日から3ヶ月かと振り返るとあぁそうだなという感じがする。全然あっという間でもなかったし、3ヶ月なりの経過があった。

採卵→全空砲「卵の質に問題がありそう...」と言われてから何の前進もしてなかった今年の1月を思えば、いまだに信じられないような気持ちになる。妊娠を目標に治療していたのにヘンな話しだが、それくらいあの頃の私にとって「子供を授かる」ということが遠くにあったし、非現実的なことに感じていた。

 

半年後、マタニティウェアの売り場をのそのそ歩いているのはどこのどいつだい...? あたしだよッ!!!

そうなのだ。アタシなのだ。

1月の私に言っても、ハイハイと一蹴してたに違いない。

不妊治療してても突然くるのだから、自然妊娠なんてもっと突然くるのだろう。いや、ちがうか。ゴールテープも見えずに走ってたら、突然テープ出てきてえ?え?!とキョロキョロしながら切った感じか。

 

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今週は、スッキリの不妊治療特集をみてあの頃のことをまた考えていた。

便宜的に「卒業」という言葉を使うが、卒業した今なお「不妊治療」と聞くと自然と耳がダンボになるし、TVで特集があると聞けば観ようと思う。

何を言うでもないけど、隣で携帯もいじらず一緒に観てた夫もまた同じ気持ちにみえた。

 

もう過ぎたこと、とは全然思えないし、これからも思わない気がする。なんとなく。

「あなたには子供が産めません」と言われる覚悟を決めてクリニックの扉をたたいたあの瞬間から、ぐるぐると考えながら歩んできた一日一日は、すでに私の一部であり、私たち夫婦の一部になっている。

誰も昔の自分に戻ることはできないし、戻りたいとも思わない。

 

決して、あの頃は辛かった、という話しをしたいのではないが、妊婦になったいま不妊治療のことを語ろうとするとどうしても、まだ悲劇のヒロインぶってるのかと思われそうで、それは自分自身に対してもどこか思ってしまって、なんとなく蓋をして過ごしてきた。

でも、不妊治療をとりまく環境をなんとかしたいという気持ちはずっとある。

自身が経験してみてはじめて、想像以上に多くの人が苦しんでいることを知ったし、想像できないところに苦しみが潜んでいることも知った。同じ体験をした人、現在進行形で頑張っている人、この先同じ体験をするかもしれない身近な誰か、みんなにぽんぽんと肩を叩いてあげたい。

働きながらの通院、高額な治療費、不透明な医療システム、と二重苦三重苦となっている現状を少しでも改善したい。

とはいえ、人はなかなか変化を望まないし、不妊治療についてオープンに語ることさえまだできているとは言い難い日本の現状で、むずかしいのは100も承知だ。

それでも、着床前診断に断固反対する人、保険適用の議論さえバカにする人、そういう人たちは一体誰から、何を守ろうと言うのだろうか。

 

どうせ変わらない

男はつらいよ』を観たことがないと言ったら、夫に驚かれて、ここ二夜連続で過去回を観ている。(NETFLIXにあった)

これが面白い。たぶん今夜もみる。

  

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最初に観た回がこれ。

<平成元年12月放映『第42作 男はつらいよ ぼくの伯父さん』>

平成元年だから30年前。

 

驚くなかれ。

 

● 会社のデスクで、食卓で、子供の横で、もちろん道端で、タバコめっちゃ吸う → 路上喫煙禁止条例、受動喫煙防止条例 ブーーー!!!

● 運転手以下全員、シートベルトしない → 道路交通法 ブーーー!!! 

● 会社に電話したら従業員の住所をすぐ教えてくれる → 個人情報保護法 ブーーー!!

● 私的な事情に興味のみで突っ込む(ほぼ全員)→ パワハラ / セクハラ案件 ブーーー!!

 

今観たらアウト尽くし。 

平成元年からの30年でほぼ放送できないレベルになるくらい世の中が変わってるんだから、これから先の未来なんて誰にも想像できない。 

人は立場によって正義が変わるし、強い言葉で高圧的に否定してくる人もいる。

 

結局のところ、私たちはそれぞれの正義で、

よりよい社会を目指していくしかない。

私は私で、日本を良くすべく動くだけだ。

 

 

「どうせ変わらない」

 

それを言っちゃあおしまいよ。

 

(完) 

不妊治療の過去記事: