長崎に行ってきた

ワクチンを打つ必要など全くないレベルの十分な抗体があったのだけど、やっぱりこのまま治療に向かう気持ちにはなれないなーと若干期待を裏切られた感じで過ごしていると、どうやら旦那も同じ様子だった。

 

「行っちゃう?」と言うと「行っちゃうか」と返ってきた。これはかなり珍しい。365日、フガフガと旅行に前のめってるわたしにそんな迂闊な返事をしたらどうなるか一番わかっている人間だ。内心ガッツポーズをしながらも、「いつにしよっかー?」と余裕のあるトーンで言ってみたりして、「明日仕事行ったら確認してみる」という旦那に「うん、よろしくね」と、ついドスの効いた念押しをしてしまった。

(お前にも)疲れたよといわんばかりの心底呆れた顔で見返されたが、無敵ゾーンのわたしはそそくさと布団にもぐり行き先をあれこれ考えながら、はやる気持ちを抑えて眠りについた。

 

旅行は2日後、長崎に発つことに決めた。

溜まっていたマイルで飛行機を予約し、溜まっていた楽天ポイントで宿をとった。いまいち使いこなせてなかったマイルだったが、思い立ったが吉日!そんな日のために残っていたのかと思うと、身の回りのすべてがこの旅を後押ししてくれているような気になってきた。そして、すこーんと抜けた青空が澄み渡る秋晴れの土曜日、「長崎にいってマイル」と姉たちに浮かれたラインを送り意気揚々と旅立った。

 

長崎を選んだ理由は、ちゃんぽん、皿うどんトルコライス、魚が旨い、ことだった。主に食です。

石垣?奄美大島?という候補もでたが、今回は、海やホテルでゆっくりしたいというより、知らない街をウロウロ歩きたいという私の希望が通ったかたちで、お互いほとんど知らない「長崎」に行ってみようということになった。

軍艦島もいってみたい一つだった。

 

二泊三日、

食べて食べて食べ尽くした。

軍艦島ツアーは予約しないと乗れなかった。

食べて呑んで食べた。

居酒屋でも、長崎名物と書かれたメニューはすかさず注文し、地元の人間は〆におにぎりが定番だと聞けば、胃袋がはちきれそうでも一個ずつ食べた。旅先にきたらその土地ならではの味をとことん堪能したい、という目的の一致するパートナーを選んでよかったと思った。

 

大浴場を決め手にしたホテルは、長崎らしい急斜面に切り立っていた。団体客で賑わう老舗の大きな宿で、部屋からは生活灯がつくる田舎の夜景が一望できた。朝には建て付けの悪いガラス戸を全力で開けると、冷んやりとした清々しい空気が入ってきた。

 

海は青いし、空は高いし、人はやさしい。

食べ物は安いし旨い。

 

秋晴れのなか、

坂道をゼーゼー言いながら旦那の腕を掴んで、のぼったり下ったりしてるうちに、今できることを諦める理由はひとつもないような気がしてきた。

 

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まだまだ知らない景色はいっぱいある。

 

#夫婦二人暮らし #旅行 #長崎