待望の『ミレニアム 6』にはじまった今年の読書活動。
『アーモンド』も『あなたに似た人〔新訳版〕』も『BUTTER(新潮文庫)』も、『パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)』もあぁー面白かったな〜〜っていうのはいっぱいあるけど、
2020年といえば
わたしの中で、この一冊。
翻訳家・村井理子さんのエッセイ(っていうのかな?実話を綴った本)。いや、わたしの中では翻訳家というよりもはや文筆家で、イケワン(犬) ハリーの飼い主で、ツイッターではだいたい仕事に追われてて、めっちゃ売れっ子なのに翻訳家ってそんなに儲からないのかな?って思っちゃったり、家の壁紙をおもむろに塗り替えたりしてる人で、とにかく魅力的な方です。
あと、知らんがな2020だと思うんですけど、わたしの中に「翻訳家のエッセイ間違いない説」あって、その筆頭が 米原万里、岸本佐知子、村井理子(敬称略)。ま、米原さんは通訳者ですけども。おもしろ三羽烏。
中でも村井さんの文章は、とても人懐っこくて、どんな気分の時でもスルスルと読める。
発売が3月末日。
ちょうどコロナ禍で、世の中もわたしも精神的に凪(なぎ)ではいられないタイミングだったけど、それでも発売と同時に手が伸びたのは村井さんの文章なら大丈夫だろうという安心感からだった。
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年の瀬、夫が率先して大掃除をはじめた。
まず大量のお掃除グッズを買い込んできて、キッチンの換気扇を洗い、五徳を浸け置きし、お風呂にジャバをし、ベランダに出て窓拭きをしてくれた。
今週は年賀状も書いた。
あとは、お正月飾りを買って、紅白をみて、年越し蕎麦をたべて、寝て起きたら、日本酒に口をつけておせちをつつく。お雑煮も食べる。
考えてみたら、夫はこの手のクラシック行事?に対してのモチベーションが非常に高い。買い出しも張り切る。この時期になるとヤクザな値段に跳ね上がる紅白蒲鉾もゆずも「うわ、たけぇえええー」と言いながらカゴに入れる。
余計なことを考えず、目の前のやるべきことを一つ一つクリアしていく。
This is 師走。
そうやって身体を動かしながら、今年一年のことを少し俯瞰で考えたり、来年にむけて気持ちを整えたりしているのかもしれない。
物事に向き合うとき、
一人で静かに過ごす方法もあるけど、
反対に、ごちゃごちゃな感情をとりあえずそのままにして、身体と手を止めずになんとか時間を進めていくことでふいに出会える感情や、思ってもみなかった答えに辿り着くことってあるよなーと思う。
というか、感情がごちゃごちゃなときこそ一人で手を止めないことが大事なのかもしれない。
この本には、村井さんがお兄さんの死にバタバタと向き合った5日間が描かれている。
そこに一緒にいるような気持ちで、
泣いたり笑ったりして読み進めてるうちにあっという間に読み終わる。
心はたぶんすっきりしている。
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