19歳の内田也哉子

「アイムファイン」と書いた直後、体調を崩した。

寒気からの微熱、微熱からの咳、慢性的な鼻づまりで頭がぼーっとする。その上、唇の端が切れる口角炎、さらには薬を控えてたことによるアレルギー性の咳が止まらない症状まで。正直、お腹の異変を察知してる余裕がない。

あと、ずっと眠い。今日も、桜を見に少し散歩したらすぐ眠くなってしまって、家に帰って4時間くらい昼寝をして起きたらもう夜だった。

でもこんなことを書くと、家族友人から「いや、いつもだよ!」と総ツッコミが入るほどのa.k.a スリーパーなので平常運転ともいえる。もう、わからん。いっそくしゃみしたら花が咲くとかで着床を知らせてくれたらいいのにネ。

 

内田也哉子

先日、朝の化粧をしながらテレビを付けてたら、内田也哉子が喪主として故人・内田裕也にあてた手紙を読んでいるシーンが流れた。

冒頭の「わたしは正直、父をあまりよく知りません」からはじまる長い手紙。

涙を流すでもなく、言葉に詰まるでもなく、淡々と読みあげる彼女ー。その口から語られる言葉があまりに率直で、美しくて、、、思わず化粧をすることも忘れ、画面に釘付けになってしまった。

以下、前半だけ。

私は正直、父をあまりよく知りません。わかり得ないという言葉の方が正確かもしれません。けれどそれは、ここまで共に過ごした時間の合計が、数週間にも満たないからということだけではなく、生前母が口にしたように、こんなに分かりにくくて、こんなに分かりやすい人はいない。世の中の矛盾を全て表しているのが内田裕也ということが根本にあるように思います。

私の知りうる裕也は、いつ噴火するかわからない火山であり、それと同時に溶岩の間で物ともせずに咲いた野花のように、すがすがしく無垢な存在でもありました。率直に言えば、父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は涙でにじむことさえ戸惑っていました。きっと実感のない父と娘の物語が、始まりにも気付かないうちに幕を閉じていたからでしょう。

けれども今日、この瞬間、目の前に広がるこの光景は、私にとっては単なるセレモニーではありません。裕也を見届けようと集まられたお一人お一人が持つ父との交感の真実が、目に見えぬ巨大な気配と化し、この会場を埋め尽くし、ほとばしっています。父親という概念には到底おさまりきれなかった内田裕也という人間が、叫び、交わり、噛みつき、歓喜し、転び、沈黙し、また転がり続けた震動を皆さんは確かに感じとっていた。これ以上、お前は何が知りたいんだ。きっと、父はそういう言うでしょう。

そして自問します。私が父から教わったことは何だったのか。それは多分、大げさに言えば、生きとし生けるものへの畏敬の念かもしれません。彼は破天荒で、時に手に負えない人だったけど、ズルい奴ではなかったこと。地位も名誉もないけれど、どんな嵐の中でも駆けつけてくれる友だけはいる。これ以上、生きる上で何を望むんだ。そう聞こえてきます。

「ズルい奴ではなかった」っていい。

娘にそう言われる内田裕也もかっこいい。

 

読んでみた 

内田裕也樹木希林の娘っていう時点で遺伝子が間違いなくフツーじゃないことは確かだけど、何をしてる人なんだろう?と気になりウィキペディア内田也哉子を検索すると、エッセイストと出てきた。

買ってみたのはこの一冊。

ペーパームービー

ペーパームービー

 

これ、なんと彼女が19歳のときに書いたエッセイで、家族のことや、留学先での友人のこと、もっくん(本木雅弘)との出会いなどの日常を綴ってるのだけど、19でこんなに達観した文章って.....才能がエゲツない。いや才能というか、彼女のもってるもの全てになってしまうが、19にして確固たる自分がちゃんとあって、女であることにも縛られてなくて、いろんな感情を飄々とまといながら感じながら生きてて、、、もっくんが19歳の彼女に惚れて迷わず求婚したのもわかるなぁと思った。

ちなみに、もっくんの彼女に対する最初の印象は「ルックスは若いのに、しぐさとかたたずまいが大人みたいで、何だかアンバランスな感じ」だったと書いてあった。

もっくんを旦那さんにしてる内田也哉子もすごいが、こんな繊細でぶっ飛んだ内田也哉子を惚れさせたもっくんもすごい。

 

そういえばロンドンに住んでる友達が「今まで会った芸能人で一番かっこよかったのは、街でみかけた本木夫妻」って言ってたな。「オーラがえげつなかった」とも。

 

f:id:suratanmen:20190407003427j:plain昼寝前にみた桜。移植後ノンアルで過ごしてたが、桜祭りでビールを買う夫の横で我慢できず一杯飲んだ。わたしも率直に告白する。

#ロックンロール #内田也哉子