許せない一言

言霊をわりと信じるタチで、人の悪口や悲観的なことを口にしたり、ましてや書き残したりなんてしないほうが良いのだろうと自戒しているが、数日経ってもなお消化しきれない怒りが込み上げてくるため、いっそ書いて成仏させようと思う。

 

先日、会社に退職の意思を伝えた。

5年お世話になった職場だ。恩義もある。少ない人数だからこそ、社長や残るメンバーたちに、できるだけ迷惑をかけないような退職時期を選んで伝えたつもりだ。

最初はむずかしい顔をしていた社長も、ひとしきり腹を割って話した後には、少し穏やかな顔になっていた。

 

そうなのだ。

この社長、本来、穏やかすぎると言っても過言ではないほど、いつもフラットで、無害で、誰にでも優しく、他人に興味がない人間なのだ。

そして「今日は寒いっちゃね〜」という呑気サウンドな博多弁が、みんなの心をイラつかせる側に作用してしまう、感が鈍なタイプなのだ。

 

そのトップが赴任してきて1年半。最初こそ「仕事はちょっとアレだけど、いい人だからねぇ〜」と囁かれていたが、瞬く間に「仕事はちょっとアレ」だけ残った。

誰にでも優しいは、つまるところ、誰にも興味がないのだ、とどこかで読んだ言葉がはじめて腑に落ちた。

この人の下で働くのは退屈で苦痛だった。 

 

退職までのスケジュールが大体決まったあと、

お茶を入れ直してほっと一息ついてると、

「妊活どう?」と聞かれて

「やーー、思ったよりお金がかかりますね。だから次もしっかり探さなきゃです(テヘペロ)」的に答えた。

「そうね。何にそんなお金がかかると?」

「いや、人工授精とか体外受精とか。妊活じゃなくて不妊治療ですから」

「........え、そんなことまでしとると?」

「えぇ、まぁ」

 

「そういえば、俺の知り合いにも体外受精するって言って親にお金借りた女友達がおって、その子はお母さんに〝この出来損ないがぁ〜!〟って言われよったけどね」

 

は?

は???

 

「まぁー・・・、そういう人もいるかもしれませんね」

 

「〝この出来損ないがぁーー〟ってね」

 

は??

はぁ???

 

この状況で二回言ってくるってどういう神経だよ。

何が言いたいの?

しかも、その後に続く言葉はなしかよ!

 

もう帰りの電車でもこの会話が何回も頭の中でリピートされてしまって、ぜんぜん怒りが収まらなかった。というか、何だったんだあれは。瞬発的には、呆気にとられすぎて怒りモードも発動しなかったが、このデリカシーの無さに一言突きつけてやればよかったと何度も後悔している。

悔しい。

ひたすらに、悔しい!!!

 

考えれば考えるほど、あれは、

鈍感じゃなくて、確信犯だと思っている。

 

おっとりしてるようでプライドが高い。そういう奴だったのだ。

 

こっちが構えてないときに、ボソッと棘のある言葉を投げてくる。そういう奴だったのだ。

 

この数日、何度も思い出すうちに、、、、百歩譲って....あー、あれは不妊治療についての無知をごまかす為にでた咄嗟の引き出しだったかもしれない。とも思った。

 

だとしたらなんだ。

こちらが百歩譲る必要なんぞ1ミクロもない。と思い直す。

 

 

ジジイ次言ったら沈める。

 

 

はぁぁぁあいッ!

成仏!!!!

 

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寝る!!!