うちの場合、家から通いやすい、という一点のみに於いてクリニックを選んだ。
これはある意味、正解だったし、やっぱり違う選択肢もあるんだろうと思う。
ツイッターを見ていると、有名クリニックに通ってる方の情報はたくさんあるけど、わたしが通っている名前は一度も出くわしたことがない。
検索しても、不安になるくらい情報が落ちてない。
ナンデダ。
あんなにいつも満杯なのに。
.... ナンデダ、と言ったが、じつはこのブログを書くにあたって、頭に引っかかっていることがある。
それは、治療前に夫婦でクリニックが主催する勉強会に参加した時のこと。最後、代表である先生が喋っていたのだが「えー、まぁこういうご時世ですからね。ネットで様々な情報も知ることができますし、誰が書いたか特定もできますからね」…的なことを言った。
一字一句言葉は正確ではないが、帰り道に話題に上がったくらいだったので、わたしと旦那は少なくともそう受け止めた。
だから、ちょっとでもこうして書いたことが知れてしまったら、私は何らかの力によってポアされてしまうかもしれない、、、と冗談半分、本気半分でびびっているのでクリニックの名前は伏せることにする。
他を知らない私が想像するに、ここのクリニックの良いところは、とにかく治療の速度がはやい。どんどんステップアップを勧めるし進める。
「不妊治療で、精神的にもつのは大体一年がひとつの目安だと思います。だから、そういう区切りを設けて夫婦で取り組んでみるのも非常にいいと思います」と先生が言った通り、我が家では一年をまず目指してやっているのだが、想像してた5倍速くらいで二度の人工授精を終えた。
あと、採血がめちゃくちゃ上手い。全然痛くない。
クリニックきれい。スタッフ明るい。
こんな薄い感想になってしまう。なんせ、他を知らない。
知り合いに会うという奇跡 @待合室
先日、旦那とクリニックへ行ったとき、偶然にも、旦那の行きつけのバー友達と待合いで一緒になった。しかも、ど平日の昼間。
お互い数秒見合って「ええぇぇーーー(小声)」でハイタッチ。いそいそとカバンを持って近くの席へ移動。
世の中狭しといえど、不妊クリニックの待合いで飲み仲間に会うなんて結構すごい確率だ。夜中しか会わない人に、昼間ばったり会っただけでも違和感あるのに、ここは不妊クリニックの静かな静かな待合いスペースだ(笑)
興奮を隠しきれない耳障りなひそひそトーンで、旦那はわたしを紹介し、このスペシャルな出会いを飲み仲間でもある彼女の旦那にラインしようということになり、3人で写メを撮って一旦落ち着いた。
わたしは初対面だったのだけど、明るいオーラが出まくっている彼女にすぐに打ち解けた。聞くと、彼女の方は去年1年間通って、しばらくのお休み期間を経て、久しぶりに検査に来たとのこと。
「ここ、どうですか?」と率直に尋ねると、
「うーん、なんて言うか宗教っぽいよねー」
と質問の本質を全く無視したなかなかの変化球が返ってきた。
「そ、それ!!!!めっちゃわかります!!!!!!!!!!!」
そうなのだ。まさに、わたしが通いだして2ヶ月ずっと&うっすら違和感をもっていた正体を彼女はこともなげにズバリ言い当てた。というか、それ以上ないくらいぴったりの言葉で語源化してくれて感動すらした。
宗教っぽい理由
その1 クリニックの代表である先生一人(男性)に対して30名もの女性スタッフ。男1女30という構成比。
その2 対応は明るいが、スタッフ全員の目の奥が笑ってない。
その3 曜日によって色の統一が図られた作務衣っぽい着衣。女性スタッフみんな、淡いピンクのときもあれば、濃いピンクや、ワインレッドの時もあったりする。が、先生だけはそのルールが適応されず自由配色。
その4 待合いの壁に掛かってる、主要幹部の写真と紹介。
その5 教祖との会話が認められるのは、股を開いてるときのみ。それ以外は基本的に教祖の意思を、カンバセーションルームなる場所で女性スタッフから伝えられる。
その6 カンバセーションルームの壁・全方位に、授かった方々からの喜び悦びの手紙・はがき&写真がびっしり貼られている。
その7 流れているヒーリングミュージックがなんか怖い
以上
お分かり頂けるだろうだろうか、〝宗教っぽい〟の正体を(笑)
そして、伝える人すら居なかったこのどうでもいい感情を、だれかと分かち合えた悦びを。
言われたことを鵜呑みにする、という新境地
不妊治療ではないけど、以前、子宮内膜症で婦人科にかかっていたことがあって、伝え方にまったく配慮のない最&低な医者にあたってしまった経験がある。(このことは、いつか書く)
その経験からしたら、教祖とか不謹慎かつふざけて書いたが、今のところクリニックに不満はない。
股を開いてる時にしか会話が許されない先生だけど、人となりに不信感はないし、全然名前も覚えて貰えないしクリニックからしたら「One of them」なのも正直ちょっと悲しくなるけど、通うこと自体もう嫌だ!!とはなっていない。3ヶ月目にして「うちのクリニックは」と思える程度の愛着も湧いてきている。
そして、ここにきて、「もう鵜呑みにする方が楽だ」という新境地に辿り着いた。ワハハ。
恋愛と一緒で、治療方針も疑いだしたらキリがないと思うのだ。
2回目の人工授精の朝、「あのー、、今朝もう排卵来ちゃってる感じなんですけど、人工授精いまからしても意味あるんですかね?」と女性スタッフに聞いたら、「先生に聞いてきますので、ちょっと待って下さいね」と言われ、数分後、戻ってきた彼女に力強く「大丈夫です!信じて下さい」と言われた。
なんだかわからないが、この瞬間、
もう、信じよう。と思った。
不妊治療という真っ暗な海を泳ぐのは、ただでさえしんどい。
だから、疑うより、信じて身を任せることを選んだ。
多分これは、これ以上ココロに負担をかけない方がいい、という防衛本能じゃないかと思う。「そうすれば楽になるわよ〜」という女神がみえたのだ。
愛されるより、愛したい。
疑うより、信じたい。だ。
そこから、もうネットで色々情報を漁ることを辞めた。
サプリ「シンジテミ〜ル」
今月の8月8日は、我が家の入籍記念日だった。ちょうどその日の検診で、2回目の人工授精が決まり、なんとなくサプリでも買ってみるか、という気になった。
受付けカウンターで神々しく宣伝されているクリニック独自配合の不妊サプリだ。(値段も神々しく5000円という強気設定!)
男性用、女性用とそれぞれあって、両方買うとなると1万円。
一人では勇気が出ず、旦那にライン。
「ねーねー、サプリ買ってみようと思うんだけど、、、(壁からチラッ的なスタンプ)」
数秒後、
「ワレワレを信じなさい」
と一言返って来た。さすが旦那だ。わかってるな、と肩の力が抜けて、二つ購入することにした。
それからというもの、朝と夜2カプセルずつ、せっせと飲んでいる。夫婦で。
旦那用はブルーの瓶で、わたしのはピンクの瓶。
その瓶に、わたしは秘かに「シンジテミ〜ル」と名付けている。
しょうもなさすぎて旦那には言ってない。
とりあえず、前向きであることは間違いない。
photo by https://placebo.co.jp/placeblog/omoshirokuna-ru/
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